アガリクスとは、ハラタケ目ハラタケ科ハラタケ属に属するキノコに
つけられる学名の総称であり、
この属内のキノコは全て例外なく「アガリクス・●●」という学名となる。
その種類はおよそ300種類以上にも及び、食用と有毒種の双方が含まれている。
有名どころでは食用キノコとしてお馴染みの
「マッシュルーム」もこれの一種であり、
学名を「アガリクス・ビスポラス」と言う。
ただし、健康食品やサプリメントなどの類を求める人がただ単純に「アガリクス」と言う場合、
通常、アガリクスの中でも最も健康食品としての評価の高い「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」の事を指す。
これは別名「アガリクス・ブラジリエンシス」や「アガリクス・サブルフェセンス」と呼ばれる事もあり、
日本では「ヒメマツタケ」や「カワリハラタケ」とも呼ばれている。
以後このサイトでは「アガリクス」と言った場合、「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」の事を説明する事とする。
産地や栽培方法などによってもその成分や効能などに差異が発生する事が確認されており、
そもそも医薬品ではなく健康食品である為、
必ず下記のような効能があるとは断言できるまでには至っていないが、
あくまで参考程度に
「効果があった」と言う報告がなされたものだけ列挙する。
主として癌の進行抑制、治療、症状緩和などに利用している人が多く、
「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」における臨床試験における報告は多岐にわたる。
一部で末期癌の患者がアガリクスを服用し続けて癌を克服したと言う体験談も実在するが、
これが本当にアガリクスによるものであると証明できるまでには至ってはいない。
推測ではアガリクスに含まれているベータグルガンという抗癌物質が
功を奏しているのではないかと言われているが、定かではない。
ベータグルガンの含有量については、
アガリクスよりも同じキノコの仲間である鹿角霊芝の方が約7.5倍ほど多い。
アガリクスの臨床試験などで
顕著な改善効果が報告されているものについては以下の通りである。
■消化器系■
胃潰瘍、胃下垂、胃癌、ウイルス性腸炎、肝硬変、肝臓肥大、肝臓癌、歯槽膿漏、
十二指腸潰瘍、腎炎、腹水癌、直腸癌、便秘、慢性胃炎、慢性口内炎、ポリープ、B型肝炎、S状結腸癌など
■循環器系■
悪性リンパ腫、血栓症疾患、高血圧、心臓病、低血圧、動脈硬化症、
肺炎、肺癌、肺血症、バセドーシ病、白血病、半身不随、ホジキン病リンパ腫など
■生殖器系■
更年期障害、子宮癌、乳癌、卵巣癌など
■脳神経代謝系■
自律神経失調症、多発性関節リウマチ、糖尿病、日本脳炎、ノイローゼ、慢性関節リウマチなど
■泌尿器系■
肝炎、腎不全、前立腺肥大、ネフローゼ、膀胱炎など
■皮膚系■
アトピー性皮膚炎、湿疹、水虫など
■その他■
インフルエンザ、花粉症、虚弱体質、精力減退、二日酔い、慢性鼻炎など
ブラジルのサンパウロから約200キロ離れた郊外にある
ピエダーテ地方の山の中でのみ生育していたアガリクスは、
元々、古代インカの時代からその地に住まう原住民に食されていた。
「野生」と言う点において、このアガリクスは昼夜の温度差が激しく、
湿度80%、強い太陽の光とスコールのような雨が必要という特別な環境でのみ育つ上に
採取できる数もごく少量であったとされる。
通常キノコとは、日の当たらない所で樹木などに生えるものだが、
このアガリクスの場合、強い太陽の光の下で土の中から生えると言う非常に変わった特徴を持っていた。
その為、「太陽のキノコ」とも呼ばれている。
ピエターデ地方では昔から癌や生活習慣病にかかる人がとても少ない事で有名であり、
それを不思議に思ったアメリカのシンデン博士やランバード博士らによって研究がなされ、
やがて、この現象はここの原住民のみに食されている
アガリクスの成分によるものなのではないかという結論に行き着くのである。
具体的には、このアガリクスには
「ベータグルガン(1−6)」という体内の免疫を高める成分が含まれている事が判明し、
マウスを用いた実験結果などから抗癌作用があるという事まで解明されている。
現地の民からは古代インカ帝国の頃より、
『神のキノコ』と崇められていたようだが、
それは崇められるだけの効能が古くから認められていたからなのではないかと思われる。
アガリクスはその希少性から当初とてつもなく高い値段で流通するも、
その知名度が上がるにつれ、
これを人工的に栽培しようとする業者が次々と現れ、
やがて大量生産される時代へと突入する。
人工的に栽培される方法は大きく分けて
「自然露地栽培」
「ハウス栽培」
「タンク内での菌糸体培養」
の主に3つの方法に分けられるが、
自然露地栽培されるものは生産量が限られ高価である反面、
太陽の恵みをたっぷり受けて育つため
ハウス栽培のそれに比して約5倍以上もの効能があるという事も証明されている。
日本の国立医薬品食品衛生研究所が国内で流通する
キリンウェルフーズの「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」を検査した結果、
ラットに対する中期多臓器発癌性実験において、
発癌プロモーター作用が認められた旨を2006年2月13日に公表した。
これを受けてキリンウェルフーズはアガリクスを含む全製品の即日発売停止と回収を決定。
但し、発癌プロモーター作用が認められたのはこの商品一種類のみであり、
2009年7月3日には厚生労働省からは先の通知発表以降、健康被害の報告はないとの通知がなされ、
同様に癌の治療を受けている患者においても健康被害の報告もないと通知されている。
そもそもアガリクスとは医薬品ではなく、健康食品である為、
過度に副作用を心配する必要性はない。
服用後にごく稀に下痢や胃腸の不快感などを伴う事もあるようだが、
これは副作用などではなく「好転反応」と呼ばれている。
「好転反応」とは、治療の過程で一時的な症状の悪化が見られる事であり、
副作用とは異なり、服用する物が悪影響を及ぼしているのではなく、
症状の改善そのものの副次的効果として、
「一見病気のような効果が表れているのだ」と説明されている。
関連サイト>>健康食で長生きラボ